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「期待される役割(Responsibility)」を定義する ~事例から学ぶ、プロダクトマネージャーのキャリアラダー設計④~

本記事は「事例から学ぶ、プロダクトマネージャーのキャリアラダー」第4回の記事です。興味を持たれた方はぜひ他の記事もご参照ください。

第1回:キャリアラダーの定義と参考事例の紹介
第2回:役職と給与グレードを整理する
第3回:職務定義を作成する
第4回: 「期待される役割(Responsibility)」を定義する(本記事)
第5回: 「求められる人物像(Requirement)」を定義する
第6回: 職務定義の設計プロセス

はじめに

ここでは職務定義内の「期待される役割(Responsibility)」について、GitLabを中心とした事例をもとにどういったことがどのように記述されているか見ていきます。

期待される役割(Responsibility)

「期待される役割(Responsibility)」には、プロダクトマネージャーとして実現してほしいコアバリューとコアバリューを実現するために求められる具体的な行動指針を記述します。
「期待される役割(Responsibility)」は主に募集要項の業務内容として記載されておりますが、多くの企業では「何をするか(What)」のみの記述で終わっております。
Whatだけでは、具体性が乏しくアクションとして落とし込むことが難しいです。
「期待される役割(Responsibility)」にはWhatだけでなく、6W3H(Why, What, Who, When, Where, Whom, How, How much, How often)を具体的に記述することで、プロダクトマネージャーが実行可能な行動指針となるように設計することが大切です。

企業文化に根ざしたPdMのコアバリュー

多くの企業において、プロダクトマネージャーの業務内容を伺うと10項目ぐらいはさっと書き出せるかと思います。
では、これらの業務内容はなぜ必要なのでしょうか?何を目的としていて、どのような製品理念や企業文化に基づいているのでしょうか?
これら、**業務内容に対するWhyを説明するのが、「企業文化に根ざしたPdMのコアバリュー」**です。

GitLabではプロダクトマネージャーのコアバリューを4つにまとめています。

  • Sensing Mechanisms : ユーザーと顧客の課題を理解する
  • Product Roadmap & Product Led Growth : ユーザーと顧客に愛される解決策の要件を定義する
  • Aligning Teams with Values : プロダクトの商業的実現性を目指し、チームの価値観を揃える
  • Thought Leadership : プロダクトの導入促進を目指し、業界・市場におけるリーダーシップを発揮する

文章で表現すると、**「ユーザーと顧客の課題に耳を研ぎ澄ませ、ユーザーと顧客から愛されるプロダクトを提供する。そして、社内外に積極的にプロダクトのビジョンや価値観を発信し、共感を多く得ることで成長を実現する。」**ことがプロダクトマネージャーの役割だと定義しています。

GitLabらしく、非常にユニークでありながら、理想とするプロダクトマネージャー像がくっきりとイメージできると思います。
そしてこれは、GitLabの製品理念とも深く関連づいています。

**他の事例① Intercom
**CRMツールを提供しているIntercomでは、プロダクトマネージャー職のコアバリューを5つのコアバリューと複数のサブバリューで定義しています。

Intercomのプロダクトマネージャーのコアバリュー

**他の事例② Optimizely
**A/Bテストツールを提供しているOptimizelyでは、以下の5つのコアバリューを定義し、各役職でどのような振る舞いを期待するか詳細に定義しています。

Optimizelyのプロダクトマネージャーのコアバリュー

**他の事例③ メルカリ
**メルカリでは人事評価の際に、期待されている成果を達成できたか、に加えて、バリュー発揮行動の観点からも評価し、「メルカリグループが定めるバリューを発揮し、実践できたかどうか」も確認します。

メルカリの人事評価観点

また、エンジニアリンググループでは3つの企業バリューから6つのエンジニアリングコアバリューを定義し、役職ごとに期待される行動指針を定義しています。

具体的な行動指針

具体的な行動指針には「企業文化に根ざしたPdMのコアバリュー」を実現するために、日常業務で何をすることを求められているかを具体的に記載します。

GitLabのプロダクトマネージャー職ではコアバリューごとに以下のように定義されています。

GitLabのプロダクトマネージャー職の具体的な行動指針

次に、役職によって具体的な行動指針がどう変化するか見るために、プロダクトマネージャー(PM)、グループプロダクトマネージャー(GMP)、エクゼクティブ(CPO)で比較してみます。
分量が膨大であるため、コアバリューの一つである、「Product Roadmap & PLG」に紐づいている行動指針に注目します。

GitLabの役職別コアバリュー「Product Roadmap & PLG」の具体的な行動指針

「何をするか(What)」のみの記述はほとんど無いことがわかると思います。「誰とするか(Who)」、「どのような目的か(Why)」、「どのようにするか(How)」、「どの程度するか(How often)」など6W3Hが適切に含まれており、各役職において求められている役割が非常に具体的にイメージできるかと思います。

次に「求められる人物像(Requirement)」について詳しく見ていきましょう。

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「求められる人物像(Requirement)」を定義する 事例から学ぶ、プロダクトマネージャーのキャリアラダー設計⑤